テレビ会議では伝わらないこと

代表の酒井です。色々と考えていました。コロナで自粛生活が始まって半年ほど経ちました。明らかに世の中が変わったと感じています。緊急事態宣言あたりから世間やメディアでは「ビフォーコロナとアフターコロナは世の中が変わる」との話題で持ちきりでしたが、時間が過ぎていくにつれて、何がどのように変化していくかが徐々に見えてきたように思います。やはり外食産業、特に夕方以降の営業がメインの店舗は厳しい状況が続き、ビフォーコロナのような活況を取り戻すにはさらに時間が掛かるか、もしくは戻らないのではないでしょうか。１０年後ぐらいには「古き良き時代」と言われているかもしれません。最近私は会食の予定が時々入るようになり、仲間とFace to Faceで意見交換をする機会を得ることができました。

Face to Face（顔を合わせて）の意見交換の場は今後も、社会や事業をどのような方向にしていくのがベストなのかのヒントを得るために間違いなく必要です。SNSやメール、テレビ会議、電話などではあるトピックについて意見を交換することはできますが、その前後の状況やストーリーを語るのには不十分だからだと思うからです。私はパソコンで文字を打つのは比較的早い方だと思うので、メールで近況や長文を書くことはそれほど苦ではありません（ですのでこのブログも続けられるのですが）、しかし私の周りの方が全員同じ境遇ではありません。また会話はキャッチボールですので、間の取り方や相手の表情などで話し方も自然と変わります。メールだと相手からの返信が来るまでに感覚的ですが１時間～１日ぐらいはかかります。会話感覚で使えると言われているチャットでも、相手の顔が見えないため、感嘆符や絵文字など限られた表現方法でしか気持ちを伝えられません。テレビ会議に関しては技術の進歩が目覚ましく、映像も音声もほとんど乱れずにやり取りができるようになり、この方法の普及はとても利便性が高く、先述の方法に比べれば相手の表情も分かりますし、雑談などもできますので、かなり密にコミュニケーションがとれると思います。難点はまだ生活の中にその様式が浸透していないため、気軽にテレビ電話が出来ないことです。もしかしたら若い世代の方々は電話をする感覚でビデオ通話をしているのかもしれませんが、それが一般的に普及するにはまだ時間が掛かりそうです。（年配の方は使い方が分からない方が多いですし、通話料や通信量も掛かるのでコスト的にもまだまだ改善が必要でしょう）しかし近い将来、誰でも携帯で電話が掛けられるように、ビデオ通話が主流になれば、コロナ禍のような状況でももっと密にコミュニケーションが取れるのかもしれません。

ここまでテレビ会議（ビデオ通話）を評価しておいてなんですが、それでもやはりFace to Faceでのコミュニケーションは現代人が豊かな生活を送るためには間違いなく必要だと信じています。会話の中身（濃さ）もそうですが、ある場所で決まった時間に人が集まることにより、参加者はオシャレをします。これは豊かな生活の要素の１つであることは間違いないと思います。特に女性は男性以上にオシャレには気を遣いますし、その方が生き生きとされるのではないでしょうか。さらに男性は着飾った女性を魅力的だと感じるので（これは本能でしょう）、一緒にいて楽しさが増す。これも豊かな生活には欠かせないと思います。さらにその人が集まると、匂いや味、光、音などの要素も感じることが出来るうえに、そこに居合わせた人たちと共有することが出来ます。「いい匂い」「美味しい」「美しい」「心地よい」などの感情を同時に体験することによって、お互いの気持ちにも一体感が生まれます。そして時間が経って振り返った時に思い出話に花が咲き、一度だけでなく何度も生活に彩りがもたらされます。もちろん良いことも悪いことも起こるのでしょうが、親族や仲間と気兼ねなく過ごせる時間はきっと人生にとって良いことの方が多いはずです。悪いことの方が多ければ集まること自体、とっくの昔に絶えていたでしょう。そう考えると逆説的ですが、Face to Faceというコミュニケーションが続いているということは、非常に価値があることだと結論付けられます。ですから一日も早く、過度にコロナに怯えることなく、自由に人と会える時間が戻ってくることを切に願っています。

最後にコロナの副産物で素敵な話をよく聞くことがあります。それは「家族との時間」が増えたことです。私も子育てをしている父ですが、コロナ前は出張や会合などで子供が寝てから帰宅することも多かったのですが、現在は毎日会社と自宅の往復で、家族も喜んでいます。この素敵な時間を経験してしまうと、ビフォーコロナの生活が夢だったかのように思うことさえあります。家族と過ごす時間は幸せですし、それが当然とする社会のムードは間違いなくコロナ無しでは実現していなかったでしょう、少なくとも２０２０年時点では。もしかしたらもっと家族との時間を大切にしなさいという日本人へのメッセージだったのかもしれません（違うと思いますがw）。この生活に慣れてしまうと、以前のような生活に戻ることに罪悪感が出てしまいそうです・・・それは今後家族と話し合いますがw

まだ世界ではコロナで多くの死者が出ています。一日も早く世界に平和になることを心より願っています。