今すぐバックアップをとってください!

代表の酒井です。前回の続きですが「え?バックアップは?」と思われると思います。当時は(今もですが)毎日のように数百、数千商品を新規にアップすることに注力していましたし、やはり気持ちの「慣れ」と「緩み」がもたらした怠慢だったとしか言いようがありません。削除ファイルをアップする直前のバックアップファイルは持っていませんでした。

商品情報を削除してしまったことに気付いたのは数時間後のことでした。管理画面を操作しているときにアレ?と思い、商品管理ページを見たらほぼ全ての商品が消えていました。慌てて解決策を考えました。一番初めに商品登録をした際の元のDB(当社ではマスターと呼んでいます)はありましたが、何年もかけて何十万点という商品を登録していったので、初期のマスターはサーバーの移動やバックアップ方法の変更をした際に一部が紛失してしまっていました。また残っていたデータも当時と価格が変わっていたり廃盤品なども含まれたままだったので、そのまま使用するのには問題がありました。そこで楽天に登録されている商品データをcsvでダウンロードしてヤフーショッピング用に作り直すのが最善と考え、1から何十万点の商品を上げ直そうと試みたのですが、1つ目のDBを上げようと思ったときにフッと「商品画像もあげなきゃいけないよな、ヤフーショッピングは・・・」ということに気付きました。

楽天はR-cabinetに登録してある画像は人為的に削除しない限りデータは残っていますし、アマゾンは任意のURLをDBに入力してアップロードすれば自動的に画像をはめてくれます。この画像の処理方法に関してもヤフーショッピングは他社とは仕様が異なり、DBを上げてから任意の時間内(当時は確か48時間ぐらいだったと思います)に画像データを上げることにより、文字データと画像データが紐付けされて登録される、というものでした。そして登録された商品画像は商品を削除すると紐付けも解け、自動的にライブラリーから削除される仕様でした。要するに商品が登録されている間は画像が保存されているが、商品が削除されれば画像は不要なので自動的に削除されるというものでした。管理側としては無駄にサーバーの容量を占拠されたくないので、合理的なシステムといえば確かにそうでした。ただキャリア側の画像の管理方法について賛否両論はありますが、ヤフーショッピングの一番の問題は一度に上げられる画像の容量が小さ過ぎることです。このブログを書いている2020年2月14日時点でも総ファイル容量は25MBまでとなっています。(参照元 https://test-store-info.yahoo.co.jp/manage/d/228.html) GBではないですよ、MBです。スマホの普通モードで撮影した写真で最近は4MBぐらいですので、単純計算で6枚ぐらいしか一度に上げられない計算になります。実際には画像サイズの制限があるので加工していくともっと1枚当たりの容量は減るのですが、仮に10分の1のサイズになったとしても400KBですので一度に60枚ほどしか上げられません。10万商品やろうと思ったら1,600回以上上げないと終わりません。途方に暮れました。当時は出店も有料でしたのでもうヤフーショッピングは辞めようと考えました。もう詰んだな~っと諦めムードで意気消沈していたところ、少し古いけど社内では最新のヤフーショッピングからダウンロードしたDBを仲間が見つけてくれました。とりあえずそれを使えば楽天から書き換える作業は減るので、少し息を吹き返しました。それでもひたすら画像を上げる作業はしなければいけないので、しばらくはその作業に没頭する日々を覚悟しました。そして早速作業に取り掛かったのですが、そこで奇跡が起きました。自分の目を疑いました。手始めに1,000点ほどDBを上げて、それに該当する画像データを用意していた時です。反映が完了したので商品ページを見てみたところ、なんと画像が復活していたのです!何が起こったのか冷静になって考えましたが、推測ですがおそらく商品ページを削除してもしばらくの間、画像データはサーバーに残っていて、その間に再度商品情報を上げたので紐付けされたのだと思います。こうなればもうこちらのもの。超高速にどんどんDBを上げていき、見事商品ページを復活させました。もちろん最新のDBではなかったのでそのあとはコツコツと手を加えていきましたが、9割ぐらいは元に戻ったので満足でした。この事件以来、商品情報を更新する場合は必ず最新のDBをキャリアからダウンロードしてバックアップを取ることを徹底しました。当たり前のことを当たり前にやる、というのがいかに難しく大切か身をもって経験しました(笑)。商品データを全削除してしまうようなミスはこれが最初で最後でしたが(どうか今後も起こらないでください・・・)、データが「飛んだ」経験は何度かあります。思い出したくもないですがこの業界はデータが命です。しかしデータはやはりデータなので些細なことで消失します。記録媒体のメニューでよく「フォーマットしますか?」と出てきますが、これって一歩間違えればキレイさっぱりデータを削除するってことですからね。なんかもうちょっと慎重にならないかなぁ、と思うときもありますが。その点ドロップボックスが登場したときは画期的だと思いました。削除したデータを復元できるので。世の中どんどん便利になっていきますね。